建築部材の加工を終えて、いよいよこれらの部材を山の頂きへと運びます。
この「荷揚げ」作業は、この建築をすると決めた当初よりどのように行うかといろいろと難儀しました。
数百本の檜の材を人手であげていくとなると何日あっても終わらないと思うほどの重労働です。
山の作業として、以前伐採をした際に伐りだした材を山からおろす際にヘリコプターをつかいましたが、今度は材を上げるためにヘリコプターを使うというのも一案。
但し、これにはまた多くの費用がかかるのと全体量に対して見合わないということで、検討から外し、一方で今は「ドローン」で運べるという話も聞き、それも検討をしたり、線をはって上に引っ張る方法などあれこれと話し合いを重ねました。
予算やこの山の特性等も考慮して、最終的にやはり「モノレール」がよいということで、ようやく合意がとれ設置する運びになりました。
山の裏側の斜面を使わせてもらうこともあり、地権者の方にもご了承をいただき、設置をしました。
それがこちらです。
なんと300KGもの重量を運べるもの。
このモノレールがあるのとないのでは、作業日数・スピードも雲泥の差です。
実際にこういうモノレールは、弥山にも設置されて山小屋への荷物の運搬もさることながら、林業の現場や地域によってはみかん農家さんなど山の斜面をつかって収穫したりする場所でも使われているそうで、傾斜45度以上もの急斜面も設置できたり、機械によっては数トンも運べるモノレールもあるそうです。
このモノレールの動力があるかないかの恩恵は、実際に運ぶと痛感します。
「はぁはぁ」と息切れをしながら、15分以上かけてようやく1本の材を運び終えたと思いきや。
1,2分でいっきに運べるのですから、いくらコストがかかろうともやはりモノレールがあるのとないのではおおいに違います。
こうして荷揚げをした部材。
いよいよ現場での作業へと次の工程にはいります。
季節は、植樹した樹木たちも芽吹きはじめの頃です。
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